シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「何度やってもなぜか私の足のサイズより大きくなっちゃってね。もうこれ以上作り直しするのも面倒(めんどう)だって、今は足の先に()らない布を丸めて入れて()いてるの。……見て」

 スカートの(すそ)をつまんで、右足を私に見せる。

 一見ちゃんとフィットしているように見えるガラスの(くつ)は、よく見ると確かに白い布がつま先に詰められていた。

(くつ)だけじゃないのよ。ドレスも実はお姉様の背丈(せたけ)に合わせて作ってるの」

「えっ? だって……今あなたにぴったりじゃない」

「そう見えるでしょ――? ぬふふふふ……見て!」
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