シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
 シンデレラの言葉に、私の中で舞踏会(ぶとうかい)準備(じゅんび)やメイクをしていた時のことがよみがってきた。

 ――シンデレラの(ひとみ)の色を明るくしたような淡い水色のドレス

 ――ところどころグリーンの色がさしこまれている

 ――「お姉様のグリーンの(ひとみ)を引き立てるあわいブルーのシャドウを少しだけ」

 最初から私に似合(にあ)う色を選んでいた。今日のメイクも、ドレスと同じ色を使ってコーディネートしてくれていた。

「……私のために……?」

 声が、ふるえる。
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