シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「これで、(ぼく)達二人の間では、結婚への障害(しょうがい)がなくなった」

「……はい」

「そう、ただしこの結婚にはまだ問題(もんだい)がある」

「さっきの、親衛隊(しんえいたい)の方々以外に、ということですよね?」

「そう。…………君は多分、『物語の主人公』に()せられた重さを、十分把握(はあく)していないような気がしているんだ」

「……王子様!!」

 シンデレラがクック船長の制止(せいし)をふりきって声をあげた。

「今、それを言っちゃうんですか?」
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