シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「えっ?!どうしてお姉様が謝るの?」

 私の涙におたおたするシンデレラを、ぎゅっとハグする。

 あやまっても、あやまりきれない。私、自分のことしか考えていなかった。

「私……私……ずっとシンデレラが(うらや)しかった。(ねた)んでた。シンデレラの気持ちを考えもしないで。……それで、時々、あなたのこといじめてた。役柄にかこつけて、いじめてた……」

 こんなこと告白されても、シンデレラだって(いや)だろうと思いながら、言わずにいられなかった。

 王子様にも、本当の、みにくい私を見せなくちゃいけない。王子様が自分との結婚のデメリットを教えてくれたように。
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