シンデレラのないしょ話 ～悪役令嬢だって恋をする～

「王子様。これが私です。意地悪なイヤな女の子です。あなたと結婚する資格なんて、ないんです」

「…………………………そうか」

　王子様は私の告白に長く考え込んだ後、ため息をつくようにひそやかに、そう一言だけ言った。

　終わった…………
　私の恋は終わった…………

　ううん、元々かなうはずのない恋だった。
　ほんの一瞬、夢を見ただけ。

　そう自分に言い聞かせていた私は、王子様の言葉に心底おどろいた。