シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
 私の心の奥底(おくそこ)に秘めた(はずの)恋が、そんなにたくさんの人の間で情報共有(じょうほうきょうゆう)されてたとか、ありえないんですが――!!!

 ヘロヘロになった私は、勇気(ゆうき)を出してシンデレラに聞いた。

「他には? 他には(だれ)にもその話していないでしょうね?」

「え? したわよ。お姉様がいないうちに、《混沌(こんとん)の森》でペローオオカミさんとかいつものメンバーに。でもダメね、男の人って。ニヤニヤしてるだけで、全然(ぜんぜん)いいアイデアが出ないの」

 ………………私は、死んだ。
 ああ、王子様。私のお(はか)の前で、泣かないで下さいね……。
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