シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
 ついさっきまで王子様と結婚することは、あの日のパレードの道のように、明るい青空の下で花や紙吹雪(かみふぶき)()う中を歩いていくようなものだと思っていた。

 それが今は両脇(りょうわき)(がけ)になっている細い道を、()みはずさないようにおそるおそる進むようなものに変わってしまった。

 果たして私に、こんなちっぽけな私に、シンデレラとして王子様と結婚し、末永い幸せな人生(・・・・・・・・)を歩んでいくことなんかできるのだろうか。

 正直に言えば、今の私は完全に(ひる)んでいた。そして、そのことにガッカリしてもいた。
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