シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

王子様のやきもち

「そういえば、王子様」

「なんだい?」

 顔を王子様の正面に向ける。真っすぐに目を見て、真っすぐな気持ちを(たし)かめたい。

「さっきシンデレラが(あらわ)れた時、『こっちの方がかわいいな。この子に乗りかえたいな』なんて、思いませんでしたか?……あ、私が(きず)つくとか考えないで下さいね。正直な気持ちを聞きたいんです」

 何度かパチパチと(まばた)いた王子様は、ちょっと面食(めんく)らったような表情だ。

「え、そんなことが気になるの?」
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