シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「本当に、口説(くど)かれたわけじゃないんです。私がシンデレラと自分をくらべて卑下(ひげ)するから『そんなことないぞ』って(はげ)まされただけで」

 ここはちゃんと説明しなきゃ。やきもちなんて、焼く必要(ひつよう)ないってことを。

「そうよ、卑下(ひげ)する必要(ひつよう)なんてないわよ!」

 声を荒げるシンデレラを、フック船長がおさえた。

「気持ちはわかるが、お前は今口をはさむな」

「はーい」

 はねっかえりなシンデレラの手綱(たづな)を、上手く引いてくれているようだ。
 妹の上司として、たよれる人かも知れない。

 それより……

「さきほどの答えを聞かせて下さい。シンデレラを見て、どう思われましたか?」
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