シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
(やっぱり悪役になるだけあって、心のみにくい娘だ)

 今度はまるで誰か他の人から悪口を投げつけられたような声が聞こえた。
 違う、私はそんな悪い人間じゃない!

 そう反論(はんろん)したいが、それもできない。なぜならこれは昨日今日始まったことではないからだ。

 この五年というもの、台本通りシンデレラをいじめては落ち込む、ということをくりかえしていた。
 実際にやっていることは五年前までと同じなのだが、私の中では意味が大きく変わってしまっている。
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