シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

鏡の魔女さん

「お話が終わったら、お城を出て行っちゃうの? そのあと、どうするつもりなんですか?」

 一度鏡の 魔女(まじょ)さんに聞いたことがあった。
 お話が終われば、それぞれの役目は終わり。後は自分で好きなように生きていくことができるはず。白雪姫ともそんなになかが良いのなら、そのままお城でくらせばいいのに……と思ったのだ。

「死んだはずのお妃がいたら、おかしいだろ? 白雪にはこれから人生をともにする夫もできるし、となりの国の王子のお(きさき)という立場にもなる。新しい生活にちゃんと集中して()しいんだよね」
「でもそれこそ、新しい環境に()れるまでは、 魔女(まじょ)さんにいてもらった方が白雪姫も安心するんじゃない?」
「あの子は見た目ほどヤワじゃないよ。私がちゃんとしっかりした(むすめ)に育て上げたからね。それに……」
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