シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

《混沌(こんとん)の森》で

 (かがみ)魔女(まじょ)さんとの会話を思い出したおかげなのか、私の気持ちは少しおちついていた。

 さっきたたいてしまったシンデレラの手を思い出す。手かげんをする、つもりだった。でも嫉妬(しっと)の気持ちで力が入っていた。
 いたかっただろうな。きっと、今までもずっと。いたくても私を信じて許してくれていた、心も見た目も美しい妹。

「ごめんね、シンデレラ」
 嫌な自分にきちんと向き合える気分になっていた。
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