シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

シンデレラ、大いにおこる

 たしなめようとするお父様を食い気味にさえぎり、父・母・私の三人から「全然(ぜんぜん)おちついてませんが」という内心のつっこみをあびつつ、どっかりとソファーにすわった。
 グン!と背をそらし豪快(ごうかい)に足を組んだ様子は、どう見てももうすぐ王子様に(とつ)ぐ愛らしいヒロインにはほど遠い。ほど遠い……のだが、何故か不思議とサマになっている。

 ふと、「(かがみ)魔女(まじょ)さんが若いころは、こんな感じだったんじゃないかしら?」と思った。
 正義感(せいぎかん)が強く、決してまわりに流されたりせず、自分の考えを堂々(どうどう)と言う。そのくせ話している言葉からは、お母さんや私を思いやる気持ちが感じられる。
 それから、仕事や義務(ぎむ)を自分から楽しんでしまう前向きな考え方も似ている気がした。
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