シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「こんな風に家族がそろっていられるのも、あと少しだもの」
 私の言葉に両親、特にお父様がシュンとなった。

 きちんとお礼が言いたくなって、真顔で姿勢を正す。
「幸せになるのよ、シンデレラ。今まで苦労した分も」
「苦労って、別に、家事(かじ)をしてたくらいじゃない。けっこう楽しんでたのよ、知ってるでしょ? お姉様こそ……」
 笑っていたシンデレラも真顔(まがお)になった。
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