シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「お姉様こそ、今までつらい思いをした分……つらい……思い…………そうだ!イエローカード――――――!!!」
真顔(まがお)から鬼のような顔になった。

「思い出した――――!ムカつく――――!よくもお姉様にイエローカードなんか切りやがったわね!《物語進行委員会(ものがたりしんこういいんかい)》!!」

「未来の王太子妃(おうたいしひ)がそんな言葉づかいをしちゃだめよ」と母。
「おちつきなさい、シンデレラ」と父。
「私なら大丈夫よ、シンデレラ」と私。

「私はまだ王太子妃じゃなくてただの灰かぶり娘よお母様、私はおちついているわお父様、全然大丈夫じゃないわお姉様」
 あわててなだめる私達に、シンデレラは矢継ぎ早に答える。どう見てもおちついてなんかいない。
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