シンデレラのないしょ話　～悪役令嬢だって恋をする～
　これは私もショックだった。

　私達の世界では、物語が無事(ぶじ)に終了(しゅうりょう)することを《大団円(だいだんえん)をむかえる》と呼んでいる。
　物語が大団円(だいだんえん)をむかえたのはおめでたいことなのだけど、物語から解放(かいほう)された後、鏡(かがみ)の魔女(まじょ)さんがどうするのかはちゃんと確認(かくにん)できていない。
　今まで住んでいたお城を出るということだけははっきりしているけど、どこへ行くつもりなのだろう。遠くに行ってしまうのだろうか。

「それで、鏡(かがみ)の魔女(まじょ)さんは今どちらに？」
「いやー、知らねえよ。何か盛大(せいだい)に打ち上げやるって聞いたし、まだそっちじゃねえかなあ」

　あせる私にペローオオカミはのんびり答える。一つのお話が終わったら、少なくとも三日三晩(みっかみばん)はお祭りらしいし、鏡(かがみ)の魔女(まじょ)さんは白雪姫の町ではみんなから好かれていたみたいだから、もっとひきとめられているかも知れない。
　でも、それが終わったら……
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