シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「やだねえ。長年よき友人だったあんた達に、別れの挨拶(あいさつ)もなしにどこかに行くわけないじゃない」
「良かったっすよ、(あね)さん。もうこいつなんかしょんぼりしちまって手が付けられねえくらいで……」
 ペローオオカミが正直にさっきまでの様子を話し始めたものだから、グリムオオカミがあわててさえぎった。

「ばっ馬鹿野郎(ばかやろう)!別にしょんぼりなんか、してねえだろ!おっオレはだな、姉御(あねご)との別れをおしんで、思い出にひたってただけなんだよ!」
「つまり、しょんぼりしてたのよね」
「おいおい、ジャボットまで……」
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