シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
 私達のやり取りを聞いて、(かがみ)魔女(まじょ)さんはクスクスと笑う。
 今日のドレスともあいまって、どことなく(はな)やいだ雰囲気(ふんいき)があった。
「……ん?どうしたの?」
 私の視線(しせん)に気付いて魔女(まじょ)さんがふりむく。

「え、あの……今日はいつもとちがって真っ赤なドレスなんだな、って」

「にあわないかしら?」

「ううん! ステキ!」

 ふと横を見るとグリムオオカミが口をパクパクさせていた。
 あ、ごめん。あなたもステキって言いたかったのね。気をきかせたつもりでグリムオオカミに話をふる。
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