イケメンアポなし訪問からピュアな恋をはじめます
 雅也さんの返事を待たず、思わず私が大きな声をあげてしまう。

「家でずっとごろごろしていて!かわいいのにこのままじゃ枯れちゃいそうなの!」
「……」

 ごろごろしてるのも、枯れてしまいそうなのも、否定が出来ずに私は沈黙する。
 おばあちゃんの言葉にふっと優しく笑った雅也さんは、ちらりと私を見た。

「いいんですか、こんなかわいいお孫さん俺に預けたりして」
「雅也くんならいいわ」

 おばあちゃんから信頼を得すぎている雅也さんは一体何者なのだろう。

「じゃあ、少しドライブでもどうですか?軽トラですけど」

 再び雅也さんに視線を向けられドライブを提案されると、軽トラはともかくふたりきりでなんて急展開すぎて私は混乱した。

「いってらっしゃい、美里ちゃん!」
「え、あ……じゃあ、じゃあちょ……ちょっと身支度を……」
「あら、そのままでかわいいわよ?」

 そう言っておばあちゃんが私の背中をポンと押した。
 
 悲報。ありのまますぎる自分でイケメンとのドライブが決まってしまう。
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