【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
フィリベルトさまと食事
ムーンが広い場所に降り、フィリベルトさまが私を抱き上げて地面へ。
トン、と地面に降ろしてもらい、ムーンに顔を向ける。
「空の散歩、楽しかったわ。ありがとう、ムーン」
ムーンはこくっとうなずいた。私の言葉を理解してくれているみたい。竜ってどこまでの知能があるのかしら。人と同じくらい? それとも、もっと高いのかしらね。
「リディア、お腹は空いていない?」
「……そういえば、空きました」
お腹に手を当てて微笑むと、「じゃあ一緒に食べよう」と手をきゅっと握ってきた。指と指を絡めて。ゆっくりと歩いて中に入ると、公爵夫妻がドレスアップした姿で玄関前にいた。
「あ、フィリベルト、リディアちゃん。私たち、これから夜会に参加するから、お留守番よろしくね」
「夜会、ですか?」
「ええ。社交界にも顔を出さないとね。きっとリディアちゃんの話題でいっぱいよ」
え、と目を大きく見開く。
どうして、私の話題でいっぱいに? とエステルさまとフィリベルトさまを交互に見ると、彼はさっと私の視線から逃れ、エステルさまはおかしそうにくすくすと口元を隠して笑う。
「留学生として、というよりはフィリベルトの婚約者がくる、ということで話題になっているんだよ」
「……? 今日、この地についたのに、ですか?」
「それより前にこいつから手紙をもらっていたからね。噂を広めておいたんだ」
トン、と地面に降ろしてもらい、ムーンに顔を向ける。
「空の散歩、楽しかったわ。ありがとう、ムーン」
ムーンはこくっとうなずいた。私の言葉を理解してくれているみたい。竜ってどこまでの知能があるのかしら。人と同じくらい? それとも、もっと高いのかしらね。
「リディア、お腹は空いていない?」
「……そういえば、空きました」
お腹に手を当てて微笑むと、「じゃあ一緒に食べよう」と手をきゅっと握ってきた。指と指を絡めて。ゆっくりと歩いて中に入ると、公爵夫妻がドレスアップした姿で玄関前にいた。
「あ、フィリベルト、リディアちゃん。私たち、これから夜会に参加するから、お留守番よろしくね」
「夜会、ですか?」
「ええ。社交界にも顔を出さないとね。きっとリディアちゃんの話題でいっぱいよ」
え、と目を大きく見開く。
どうして、私の話題でいっぱいに? とエステルさまとフィリベルトさまを交互に見ると、彼はさっと私の視線から逃れ、エステルさまはおかしそうにくすくすと口元を隠して笑う。
「留学生として、というよりはフィリベルトの婚約者がくる、ということで話題になっているんだよ」
「……? 今日、この地についたのに、ですか?」
「それより前にこいつから手紙をもらっていたからね。噂を広めておいたんだ」