【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
スターリング領 1話
デザートもすべて食べ終え、私はハッとして顔を上げた。そして、フィリベルトさまを見上げて口元で両手を合わせて口を開く。
「フィリベルトさま、明日はお暇でしょうか?」
「明日?」
小さく首を縦に動かして、そのまま言葉を続けた。
「私とローレン、チェルシーはこの国に初めてきたので、よければ案内していただけませんか?」
そうお願いすると、フィリベルトさまはすぐに「いいよ」と言ってくれた。嬉しそうにはにかんでいる彼を見つめていると、彼は軽く頬をかく。
「なんだか嬉しいな」
「え?」
「リディアが、この国に興味を持ってくれていることが」
……そう、ね。彼がこんなに喜んでくれるとは思わなかったけれど、私も他国に興味が出てなんだかふわふわとした気持ちなのよね。
王妃教育で大変だったからかな。今ようやく、周りのことに目を向けられる余裕が出てきた。
「フィリベルトさまが生まれた国ですもの、気になりますわ」
婚約者がどんなところに住んでいたのか、気になるのは仕方ないことだと思う。好奇心もあるけれど、彼のことをもっと知りたいという欲求のほうが強い。
「なら、いろいろと見て回りましょう。そうだな、寮にいくまではまだ時間あるから、ゆっくりと」
きっと、わざと敬語を使ったわね。パチンとウインクするフィリベルトさまに、私はくすりと微笑んだ。
「ええ、楽しみにしております」
ローレンとチェルシーも一緒だけれど、この国のことを見て回れるのはよいことだと思う。
「フィリベルトさま、明日はお暇でしょうか?」
「明日?」
小さく首を縦に動かして、そのまま言葉を続けた。
「私とローレン、チェルシーはこの国に初めてきたので、よければ案内していただけませんか?」
そうお願いすると、フィリベルトさまはすぐに「いいよ」と言ってくれた。嬉しそうにはにかんでいる彼を見つめていると、彼は軽く頬をかく。
「なんだか嬉しいな」
「え?」
「リディアが、この国に興味を持ってくれていることが」
……そう、ね。彼がこんなに喜んでくれるとは思わなかったけれど、私も他国に興味が出てなんだかふわふわとした気持ちなのよね。
王妃教育で大変だったからかな。今ようやく、周りのことに目を向けられる余裕が出てきた。
「フィリベルトさまが生まれた国ですもの、気になりますわ」
婚約者がどんなところに住んでいたのか、気になるのは仕方ないことだと思う。好奇心もあるけれど、彼のことをもっと知りたいという欲求のほうが強い。
「なら、いろいろと見て回りましょう。そうだな、寮にいくまではまだ時間あるから、ゆっくりと」
きっと、わざと敬語を使ったわね。パチンとウインクするフィリベルトさまに、私はくすりと微笑んだ。
「ええ、楽しみにしております」
ローレンとチェルシーも一緒だけれど、この国のことを見て回れるのはよいことだと思う。