【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
突然声をかけられたフィリベルトさまは、後ろを振り返って「ああ、そうだ」と柔らかく微笑んだ。私もつられて後ろを振り返ると、女性が立っていた。
「こちらの美しい女性は、もしかして、リディアさまですか?」
「え、ええ。初めまして」
どうして私の名前を知っているのかしら、と目を丸くしつつも挨拶のため立ち上がる。
すると、周りにいた人たちが一斉にこちらに視線を向けた。
えっと、この場合どうすればいいの……? と助けを求めるようにフィリベルトさまに視線を移すと、彼もカタンと椅子から立ち上がって、私の肩を抱く。
キャァアアッ! と黄色い悲鳴が聞こえた。ローレンとチェルシーはその様子にびっくりしたように肩を跳ねさせた。
「改めて、オレの婚約者のリディア・フローレンス公爵令嬢だ。ユミルトゥスには留学にきてくれたんだ」
肩から背中にぽんと背中を押されて、一歩前に出る。
みんなの好奇の視線を感じながら、ふっと表情を綻ばせた。
カーテシーをしてから、視線を巡らせて領民たちを見る。みんな、私の言葉を待っているみたい。
「ご紹介にあずかりました。リディア・フローレンスと申します。ユミルトゥスの学園に留学できること、光栄に思っておりますわ。そして――フィリベルトさまの婚約者として、スターリング領のさらなる発展に力を注ぐので、ご協力いただけると幸いです」
にっこりと微笑んでみせる。
私はフィリベルトさまの婚約者なのだから、スターリング領の発展に力を注いでも構わない、わよね? 心の中ではちょっと不安を感じながらも、表情には出さないように気をつけた。
「こちらの美しい女性は、もしかして、リディアさまですか?」
「え、ええ。初めまして」
どうして私の名前を知っているのかしら、と目を丸くしつつも挨拶のため立ち上がる。
すると、周りにいた人たちが一斉にこちらに視線を向けた。
えっと、この場合どうすればいいの……? と助けを求めるようにフィリベルトさまに視線を移すと、彼もカタンと椅子から立ち上がって、私の肩を抱く。
キャァアアッ! と黄色い悲鳴が聞こえた。ローレンとチェルシーはその様子にびっくりしたように肩を跳ねさせた。
「改めて、オレの婚約者のリディア・フローレンス公爵令嬢だ。ユミルトゥスには留学にきてくれたんだ」
肩から背中にぽんと背中を押されて、一歩前に出る。
みんなの好奇の視線を感じながら、ふっと表情を綻ばせた。
カーテシーをしてから、視線を巡らせて領民たちを見る。みんな、私の言葉を待っているみたい。
「ご紹介にあずかりました。リディア・フローレンスと申します。ユミルトゥスの学園に留学できること、光栄に思っておりますわ。そして――フィリベルトさまの婚約者として、スターリング領のさらなる発展に力を注ぐので、ご協力いただけると幸いです」
にっこりと微笑んでみせる。
私はフィリベルトさまの婚約者なのだから、スターリング領の発展に力を注いでも構わない、わよね? 心の中ではちょっと不安を感じながらも、表情には出さないように気をつけた。