【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
スターリング領 4話
「あ、あの。スターリング領では本屋はありますか」
おずおずとローレンが右手を上げて領民たちに尋ねる。彼らは大きくうなずいた。その瞬間、ローレンの瞳がきらりと光った。
「ローレン、本屋も好きですもんね」
「そうね」
チェルシーがぽつりとつぶやくのを拾い、私は小さく口角を上げた。
「チェルシーは、気になるところないの?」
「私は……宝石店が気になります。買えないけれど、宝石の装飾を見るとときめいちゃうんです」
えへへ、と笑う彼女の姿。確かに私のアクセサリーを選ぶときも、目を輝かせていたわね。自分では買えないというけれど、彼女が自分の給与をきちんと管理していることを知っている。
必要最低限の出費で、他は貯金しているみたいなのよね。宝石を買うためかしら、と思っていたのだけど……。
「いつかドレスアップしてみたいです」
着ていく場所なんてないんですけど、と頬をかいているチェルシーに、そっと手を伸ばして彼女の肩に触れた。
「きっときれいだわ」
「えへへ、ありがとうございます」
私たちがそんなことを話しているあいだに、ローレンは本屋のことを聞き出したみたい。キラキラとした瞳のまま、私を見る。
それとほぼ同時に、大量の荷物を馬車に積んだジェレミーとデリックが戻ってきた。
おずおずとローレンが右手を上げて領民たちに尋ねる。彼らは大きくうなずいた。その瞬間、ローレンの瞳がきらりと光った。
「ローレン、本屋も好きですもんね」
「そうね」
チェルシーがぽつりとつぶやくのを拾い、私は小さく口角を上げた。
「チェルシーは、気になるところないの?」
「私は……宝石店が気になります。買えないけれど、宝石の装飾を見るとときめいちゃうんです」
えへへ、と笑う彼女の姿。確かに私のアクセサリーを選ぶときも、目を輝かせていたわね。自分では買えないというけれど、彼女が自分の給与をきちんと管理していることを知っている。
必要最低限の出費で、他は貯金しているみたいなのよね。宝石を買うためかしら、と思っていたのだけど……。
「いつかドレスアップしてみたいです」
着ていく場所なんてないんですけど、と頬をかいているチェルシーに、そっと手を伸ばして彼女の肩に触れた。
「きっときれいだわ」
「えへへ、ありがとうございます」
私たちがそんなことを話しているあいだに、ローレンは本屋のことを聞き出したみたい。キラキラとした瞳のまま、私を見る。
それとほぼ同時に、大量の荷物を馬車に積んだジェレミーとデリックが戻ってきた。