【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
ゆっくりと休憩 1話
ぽそりとつぶやいた言葉は、彼女たちの耳に届いたようで、ふたりは「もったいないお言葉です」と柔らかい口調で同時に言葉を発する。
あまりにもピッタリなタイミングだったので、小さく口角が上がった。
タオルを取って起き上がると、手鏡を渡された。ふふ、ひどい顔。でも、なんだかスッキリしたわ。
「だいぶ良くなったかしら?」
「はい。明日、腫れることはないと思います」
「……今日はもう休むわ。ふたりとも、下がってちょうだい」
「お嬢さま、ひとつだけ……よろしいですか?」
すっとローレンとチェルシーが私のそばに跪いた。
びっくりして目を丸くすると、ふたりはそれぞれ私の手を取ってきゅっと握り、微笑む。
「私たちはお嬢さまのことが大好きです。これからも、よろしくお願いいたしますね」
ローレンが優しくそう言ってくれた。チェルシーもにっこりと笑って、何度もうなずいていた。
「……私は幸せ者ね。ありがとう、ふたりとも。私もあなたたちが大好きよ」
「光栄ですわ、リディアお嬢さま」
「嬉しいです、リディアお嬢さま」
ふたりは私の手の甲に唇を落としてから、部屋をあとにした。
ローレンは私よりも年上だから、侍女というより姉に近い感覚なのよね。チェルシーは妹って感じ。本当、侍女に恵まれていると思う。
私が次期王妃教育を受けていたときも、『そんなに詰め込んでは、覚えられることも覚えられませんよ』と気分転換させてくれたの。
それにしても、この世界って女性が同性に忠誠を誓うときって手の甲にキスをする決まりがあったかしら?
あまりにもピッタリなタイミングだったので、小さく口角が上がった。
タオルを取って起き上がると、手鏡を渡された。ふふ、ひどい顔。でも、なんだかスッキリしたわ。
「だいぶ良くなったかしら?」
「はい。明日、腫れることはないと思います」
「……今日はもう休むわ。ふたりとも、下がってちょうだい」
「お嬢さま、ひとつだけ……よろしいですか?」
すっとローレンとチェルシーが私のそばに跪いた。
びっくりして目を丸くすると、ふたりはそれぞれ私の手を取ってきゅっと握り、微笑む。
「私たちはお嬢さまのことが大好きです。これからも、よろしくお願いいたしますね」
ローレンが優しくそう言ってくれた。チェルシーもにっこりと笑って、何度もうなずいていた。
「……私は幸せ者ね。ありがとう、ふたりとも。私もあなたたちが大好きよ」
「光栄ですわ、リディアお嬢さま」
「嬉しいです、リディアお嬢さま」
ふたりは私の手の甲に唇を落としてから、部屋をあとにした。
ローレンは私よりも年上だから、侍女というより姉に近い感覚なのよね。チェルシーは妹って感じ。本当、侍女に恵まれていると思う。
私が次期王妃教育を受けていたときも、『そんなに詰め込んでは、覚えられることも覚えられませんよ』と気分転換させてくれたの。
それにしても、この世界って女性が同性に忠誠を誓うときって手の甲にキスをする決まりがあったかしら?