【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「うふふ、素敵な時間が過ごせたようですね」
「おかげさまで……ね」

 キャーッと小さな黄色い悲鳴を上げるクローディアに、眉を下げる。

「では、最初のドレスに着替えましょう」
「ええ」

 ドレスに再び袖を通し、髪を整え、メイクも直してもらい、フィリベルトさまのもとに歩いた。

「クローディア、制服とドレスは屋敷に頼む」
「かしこまりました。早急に仕立てて、屋敷までお届けします!」

 クローディア服飾店の出入り口前で、フィリベルトさまは彼女に声をかけた。彼の言葉に、彼女はすっと胸元に手を添えて、もう片方の手でスカートの裾を掴み、頭を下げる。

「頼んだ」

 フィリベルトさまはそれだけ伝えると、私の手を取って歩き出す。クローディアに「ありがとう」と声をかけると、彼女はにっこりと微笑んでくれた。

「ランチを食べたら、行きたいところがあるんだ。付き合ってくれるかい?」
「もちろんですわ。どこに向かいますの?」

 行きたいところってどこだろう? とフィリベルトさまを見つめたけれど、彼は繋いでいないほうの手を口元に寄せて、人差し指を立てて「内緒。お楽しみに」と口角を上げる。

 近くのお店に入って、ランチを楽しんだ。出てくる料理すべて、美味しかったわ。

 硬めのパンにビーフシチュー、サラダに季節のフルーツがたくさん使われたデザート。

「スターリング領の料理はどれも美味しいですね」
「食に関しては、美味しいものが食べたいって気持ちが強いのかもね」
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