【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
◆◆◆
――そして、月日は流れ、本日私は、ユミルトゥスの学園に初登校する。
「緊張しているかい?」
「していない、といえば嘘になりますわ。だけど、楽しみのほうが勝っていますの」
小さく口角を上げる私に、フィリベルトさまは「そうか」と柔らかく微笑んだ。
先程から好奇の視線を感じているのよね。フィリベルトさまと一緒にいるからかしら?
フィリベルトさまに指輪をいただいた日、スターリング邸に戻るとお祭り騒ぎになっていた。
私たちよりも先に、ローランとチェルシーは帰ってきていたみたいで、興奮気味に出迎えられたのよね。ローランの興奮の理由は、あの本の作者がジェレミーだったこと。チェルシーは『初めて男性に宝石をいただきました!』と目を輝かせていた。
その姿がとても可愛らしかった。ふたりにも、いろいろな幸福が訪れますように。
「それじゃあ、行こうか」
「ええ」
フィリベルトさまに案内されて職員室へ足を運び、改めて担任の先生に挨拶をした。寮に入るとき、一度顔を合わせていたの。
少しの時間、先生と会話をし、教室まで向かう。
扉を開けて教室に入ると一斉に視線が私に集中した。学園の計らいでフィリベルトさまと同じクラスになった私は、学生たちの視線を受けて、にっこりと微笑みを浮かべた。
――そして、月日は流れ、本日私は、ユミルトゥスの学園に初登校する。
「緊張しているかい?」
「していない、といえば嘘になりますわ。だけど、楽しみのほうが勝っていますの」
小さく口角を上げる私に、フィリベルトさまは「そうか」と柔らかく微笑んだ。
先程から好奇の視線を感じているのよね。フィリベルトさまと一緒にいるからかしら?
フィリベルトさまに指輪をいただいた日、スターリング邸に戻るとお祭り騒ぎになっていた。
私たちよりも先に、ローランとチェルシーは帰ってきていたみたいで、興奮気味に出迎えられたのよね。ローランの興奮の理由は、あの本の作者がジェレミーだったこと。チェルシーは『初めて男性に宝石をいただきました!』と目を輝かせていた。
その姿がとても可愛らしかった。ふたりにも、いろいろな幸福が訪れますように。
「それじゃあ、行こうか」
「ええ」
フィリベルトさまに案内されて職員室へ足を運び、改めて担任の先生に挨拶をした。寮に入るとき、一度顔を合わせていたの。
少しの時間、先生と会話をし、教室まで向かう。
扉を開けて教室に入ると一斉に視線が私に集中した。学園の計らいでフィリベルトさまと同じクラスになった私は、学生たちの視線を受けて、にっこりと微笑みを浮かべた。