【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「こちらのシリーズをお勧めしますわ。『戦乙女のサーガ』というタイトルですが、主人公が恋に落ちてどんどんと魅力的な女性に変わっていくんです」
「それは面白そうね。……ローレンって、本の場所を暗記しているの?」
「ふふ、この書庫、私も管理者のひとりなのですよ」
そうだったの!? と目を丸くすると、彼女は口元を手で隠してくすくすと笑う。
もしかしたら彼女は、根っからの本好きなのかもしれないわね。そう考えながら表紙に視線を落とす。
戦乙女ということは、戦う女性なのね。
どんな内容なのか、今からワクワクしちゃう。午後はその本をじっくり読むことにしましょう!
楽しみができたわ。……思えば、こうやって本を読む余裕がなかったのよね、私。
……うん、昨日あれだけ泣いたからスッキリしたし、記憶もだいぶ落ち着いた。
リディアはリディア、私は私。
リディアの記憶も、ちゃんとあるけれど……混じり合って、『私』になった感覚。
きっと、もっと幼い頃に記憶が戻っていたのなら、違う感じになったのかもしれないけれど……まさか十六歳で記憶が戻るとは思わないじゃない?
それだけ『リディア』にとって、アレクシス殿下からの婚約破棄がショックだったということなんだろうけど、さ。
「それは面白そうね。……ローレンって、本の場所を暗記しているの?」
「ふふ、この書庫、私も管理者のひとりなのですよ」
そうだったの!? と目を丸くすると、彼女は口元を手で隠してくすくすと笑う。
もしかしたら彼女は、根っからの本好きなのかもしれないわね。そう考えながら表紙に視線を落とす。
戦乙女ということは、戦う女性なのね。
どんな内容なのか、今からワクワクしちゃう。午後はその本をじっくり読むことにしましょう!
楽しみができたわ。……思えば、こうやって本を読む余裕がなかったのよね、私。
……うん、昨日あれだけ泣いたからスッキリしたし、記憶もだいぶ落ち着いた。
リディアはリディア、私は私。
リディアの記憶も、ちゃんとあるけれど……混じり合って、『私』になった感覚。
きっと、もっと幼い頃に記憶が戻っていたのなら、違う感じになったのかもしれないけれど……まさか十六歳で記憶が戻るとは思わないじゃない?
それだけ『リディア』にとって、アレクシス殿下からの婚約破棄がショックだったということなんだろうけど、さ。