【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「敵に塩を送るワケですか?」
「ええ、それもかなり、塩分高めに」

 あっちが勝手に私の悪行を作ったのなら、こちらはこちらでやりたいようにやるだけだわ。

「フィリベルトさま、私の『用事』に付き合ってくださいますか?」
「もちろんです、リディア嬢」

 そうと決まればすぐに行動しましょう。

 どうせアレクシス殿下とフローラは一緒にいるだろうし、フローラ派の人たちもいるだろう。私には友達いないけれど、彼女の周りにはたくさんいる。……うう、考えたらちょっと悲しくなってきた。

 私たちは先生にお茶のお礼を伝えてから、部屋を出て次の授業に出席した。

 そして放課後――……。

「まだ帰りたくありませんわ、アレクシス殿下」
「そうか、ならば図書室にでも――……」
「ごきげんよう、アレクシス殿下とフローラさま。少しお時間よろしいかしら?」

 授業が終わってイチャイチャしているところに突撃。

 彼女たちは驚いたように私を見たけれど、フローラはそれこそ、花が綻ぶように微笑み、それを見た殿下がアレクシス殿下が顔を赤らめている。……ラブラブですねぇ。

 おっと呆れた表情を浮かべてしまった。

 イチャイチャするのは勝手にやってくれって感じだけど……いや、本当に。

 恋は盲目という言葉があるけれど、今のアレクシス殿下の状態がそうなのかも。

 思わずそんなことを考えていると、フローラの表情が歪み始めた。一分もしないうちに表情を崩してどうするの。
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