【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
こちらもにっこりと微笑む。彼女は「よろしい」とばかりにうなずいて、私に近付きじっと目を見つめられる。その瞳に確かに私に対する慈愛を感じられて、目を少しだけ見開いた。彼女はどこか安堵したように息を吐き、そっと私の肩に触れる。
「思ったよりも元気そうですね」
「心配してくださったのですか?」
「ええ、わたくしの耳にも、噂話が届いていますから」
いったいどんな噂話なのか、気になるようなきにならないような。どうせろくでもない噂話なんだろうから、気にしないほうがいいかな?
「ご心配、ありがとうございます。どうぞお座りください。そして、私の頼み事を聞いてくださいませんか?」
「わたくしに頼み事、ですか?」
「はい。――ぜひ、次期王妃候補をその目で見ていただきたいのです」
ソファに座るマダム。彼女が座ったのを見届けてから、私もソファに座る。
ローレンがお茶を淹れて、それを優雅に飲みつつ口角を上げてマダムを誘う。
「それはいつでしょうか?」
「急で申し訳ありませんが、明日の放課後です」
「あら、本当に急ですこと。……いいでしょう、フローラという少女を、この目で見たかったのは事実。どこにいけばよろしいのでしょうか?」
「学園の――」
明日のことをマダムに伝えると、彼女は意外にもあっさりと了承してくれて、ちょっとだけ拍子抜け。もっとこう、いろいろ言われるのかと身構えていたのだけど……。
「思ったよりも元気そうですね」
「心配してくださったのですか?」
「ええ、わたくしの耳にも、噂話が届いていますから」
いったいどんな噂話なのか、気になるようなきにならないような。どうせろくでもない噂話なんだろうから、気にしないほうがいいかな?
「ご心配、ありがとうございます。どうぞお座りください。そして、私の頼み事を聞いてくださいませんか?」
「わたくしに頼み事、ですか?」
「はい。――ぜひ、次期王妃候補をその目で見ていただきたいのです」
ソファに座るマダム。彼女が座ったのを見届けてから、私もソファに座る。
ローレンがお茶を淹れて、それを優雅に飲みつつ口角を上げてマダムを誘う。
「それはいつでしょうか?」
「急で申し訳ありませんが、明日の放課後です」
「あら、本当に急ですこと。……いいでしょう、フローラという少女を、この目で見たかったのは事実。どこにいけばよろしいのでしょうか?」
「学園の――」
明日のことをマダムに伝えると、彼女は意外にもあっさりと了承してくれて、ちょっとだけ拍子抜け。もっとこう、いろいろ言われるのかと身構えていたのだけど……。