【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「それはおかしいですわ」
きっぱりと言い切った。ぴくりとアレクシス殿下の眉が跳ね上がるのが見えたけれど、気にしないで言葉を続ける。
「私、フローラさまが階段から落ちたとき、荷物を持っていましたのよ。それを床に置いた覚えはありません。助けようとして片手は伸ばしましたけれど……そういえば、あのとき、セシリアさまはすぐに駆けつけましたよね? 私が荷物を持っていることに気付かなかったのですか?」
「ゆ、床に置いて持ち直したのでしょう?」
「いいええ。あれは魔石の入った箱ですもの。一瞬たりと我が身から離しておりませんわ」
魔石って衝動で小さな爆発を起こすことがあるから要注意。
そう先生も言っていたから、気をつけていたもの。
そもそも私が魔石を持っていくことになったのは、本来なら荷物を運ぶ当番であるアレクシス殿下がさっさと教室から出ていってしまったからだ。
いつもそう。私は殿下の尻拭いばかり……あ、なんかこれ、私が怒ってもいい場面なんじゃないかしら?
ふつふつと怒りが込み上げてきたわ……!
きっぱりと言い切った。ぴくりとアレクシス殿下の眉が跳ね上がるのが見えたけれど、気にしないで言葉を続ける。
「私、フローラさまが階段から落ちたとき、荷物を持っていましたのよ。それを床に置いた覚えはありません。助けようとして片手は伸ばしましたけれど……そういえば、あのとき、セシリアさまはすぐに駆けつけましたよね? 私が荷物を持っていることに気付かなかったのですか?」
「ゆ、床に置いて持ち直したのでしょう?」
「いいええ。あれは魔石の入った箱ですもの。一瞬たりと我が身から離しておりませんわ」
魔石って衝動で小さな爆発を起こすことがあるから要注意。
そう先生も言っていたから、気をつけていたもの。
そもそも私が魔石を持っていくことになったのは、本来なら荷物を運ぶ当番であるアレクシス殿下がさっさと教室から出ていってしまったからだ。
いつもそう。私は殿下の尻拭いばかり……あ、なんかこれ、私が怒ってもいい場面なんじゃないかしら?
ふつふつと怒りが込み上げてきたわ……!