【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
◆◆◆
そして、翌日の放課後――……。
空き教室でフローラたちを待つ。これから起こることを想像して、ちょっと、いやかなり気持ちが滅入る。
そんな私の様子を察してから、ローレンとチェルシーが心配そうに私を見た。
「――きたみたいね」
足音が耳に届いた。何人きてもいいと伝えていたから、本当に数人連れてきたようだ。ま、別に構わないんだけどね。
「ごきげんよう、リディアさま。約束通りきましたわ」
「ええ、ごきげんよう。みなさまも。さあ、早くお入りになって、アレクシス殿下も」
フローラとアレクシス殿下を除くと、五人が一緒のようだ。
ずっと彼女の傍にいた人たち。彼女たちは私のことを睨みながらも教室に入る。
私がローレンとチェルシーに合図をすると、彼女たちはお茶の準備を始めた。
紅茶の良い香りが教室内に漂い、みんなに紅茶を配り終えると、私はにこりと微笑む。
「今日はきてくださってありがとうございます。おそらく、このまま私はアレクシス殿下との婚約を解消されますので、安心なさってくださいね」
「本当ですかっ?」
フローラの表情がぱぁっと明るくなった。昨夜、お父さまからそう伝えられたのよね。きっとフィリベルトさまから求婚されたことを伝えたのだと思う。ユミルトゥスと繋がれるのは、この国にとってもいいことだしね。
「もちろんですわ。ただ――フローラさま。貴女には王妃教育が待っていると思いますの」
「王妃教育?」
キョトンとした表情を浮かべるフローラに、こくりとうなずいてみせた。
そして、翌日の放課後――……。
空き教室でフローラたちを待つ。これから起こることを想像して、ちょっと、いやかなり気持ちが滅入る。
そんな私の様子を察してから、ローレンとチェルシーが心配そうに私を見た。
「――きたみたいね」
足音が耳に届いた。何人きてもいいと伝えていたから、本当に数人連れてきたようだ。ま、別に構わないんだけどね。
「ごきげんよう、リディアさま。約束通りきましたわ」
「ええ、ごきげんよう。みなさまも。さあ、早くお入りになって、アレクシス殿下も」
フローラとアレクシス殿下を除くと、五人が一緒のようだ。
ずっと彼女の傍にいた人たち。彼女たちは私のことを睨みながらも教室に入る。
私がローレンとチェルシーに合図をすると、彼女たちはお茶の準備を始めた。
紅茶の良い香りが教室内に漂い、みんなに紅茶を配り終えると、私はにこりと微笑む。
「今日はきてくださってありがとうございます。おそらく、このまま私はアレクシス殿下との婚約を解消されますので、安心なさってくださいね」
「本当ですかっ?」
フローラの表情がぱぁっと明るくなった。昨夜、お父さまからそう伝えられたのよね。きっとフィリベルトさまから求婚されたことを伝えたのだと思う。ユミルトゥスと繋がれるのは、この国にとってもいいことだしね。
「もちろんですわ。ただ――フローラさま。貴女には王妃教育が待っていると思いますの」
「王妃教育?」
キョトンとした表情を浮かべるフローラに、こくりとうなずいてみせた。