【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「殿下たちに毒を盛ったのですね!」
「貴女の思考回路って、本当に面白いわね……」
ぱん、と私は扇子を手に叩きつける。すると、フローラはびくっと肩を震わせた。
「私が盛ったのは解毒剤のようなものよ。貴女の魔法を、解除するお薬」
「なっ、わ、私がいつ殿下たちに魔法をかけたというのです!」
「あら、うふふ。あまり私を舐めないでいただける? 貴女が魅了の魔法をずーっとかけていることに気付かない私ではなくてよ?」
高らかにそう宣言する。いや、魅了の魔法の可能性に気付いたのはチェルシーなんだけどね!
昨日、今日のことをどうやって穏便に済まそうかと話し合っていたとき、チェルシーがぽつりと『まるで魅了の魔法にでもかかっているみたいですね』という言葉がきっかけなのよ。
私の侍女、すごくない?
「フローラさま、貴女が王妃になりたいのならば、努力してなればいいわ。私はそのとき、この国にはいないでしょうし……ああ、そうだ、聞くのを忘れていましたわ。貴女にとって、どんなものですか?」
「リディアさま……貴女さえいなければ、この国は私のものになったのに――!」
ヒロインの考えが怖いんですけれど! そして逆恨みにもほどがある!
「どういうことだ、フローラ……。きみは、俺を愛していると言ってくれたのに!」
そしてこのタイミングで魅了が完璧に切れたみたい。さて、修羅場でも楽しみますかね。
「貴女の思考回路って、本当に面白いわね……」
ぱん、と私は扇子を手に叩きつける。すると、フローラはびくっと肩を震わせた。
「私が盛ったのは解毒剤のようなものよ。貴女の魔法を、解除するお薬」
「なっ、わ、私がいつ殿下たちに魔法をかけたというのです!」
「あら、うふふ。あまり私を舐めないでいただける? 貴女が魅了の魔法をずーっとかけていることに気付かない私ではなくてよ?」
高らかにそう宣言する。いや、魅了の魔法の可能性に気付いたのはチェルシーなんだけどね!
昨日、今日のことをどうやって穏便に済まそうかと話し合っていたとき、チェルシーがぽつりと『まるで魅了の魔法にでもかかっているみたいですね』という言葉がきっかけなのよ。
私の侍女、すごくない?
「フローラさま、貴女が王妃になりたいのならば、努力してなればいいわ。私はそのとき、この国にはいないでしょうし……ああ、そうだ、聞くのを忘れていましたわ。貴女にとって、どんなものですか?」
「リディアさま……貴女さえいなければ、この国は私のものになったのに――!」
ヒロインの考えが怖いんですけれど! そして逆恨みにもほどがある!
「どういうことだ、フローラ……。きみは、俺を愛していると言ってくれたのに!」
そしてこのタイミングで魅了が完璧に切れたみたい。さて、修羅場でも楽しみますかね。