【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
反撃は、しっかりと 5話
私は紅茶をこくりと飲み込む。少しワクワクした瞳を隠さずに殿下とフローラのやり取りを眺めることにした。
この世界ってテレビがないからドラマが見られないのよね。小説はたくさんあるから、あとでたくさん読もうっと。
そんな私の様子に気付いたのか、フィリベルトさまが意外そうにこちらを見る。彼に向かいにこりと微笑んだ。
マダムは厳しい視線を殿下たちに向けている。
フローラの『ご友人』たちは、魅了の効果が切れたから頭に『?』マークをたくさんつけているように見えるわ。
ローレンとチェルシーもアレクシス殿下たちを冷めた目で眺めている。
「もちろん愛していますわ! だってアレクシス殿下は私を幸せにしてくれる攻略対象だもの!」
「攻略対象? フローラ、なにを言っているんだ……?」
「どうして? リディアさま、貴女が原作通りに私をいじめてくれたら、こんなことにはならなかったのに!」
思わずむせるところだった。飲み込んでいたからセーフ。
もしかして、フローラも転生者? 私が目を丸くして彼女を見ると、フィリベルトさまが首をかしげた。
「攻略対象とはなんだ?」
「ここはね、『花の乙女 ~永遠を誓う~』っていう乙女ゲームの世界なの! 私はちゃんと主人公としてゲーム通りに動いたもん! こんなこと、ゲームのシナリオになかったもん!」
……精神年齢いくつかしら。
じゃなくて。……彼女はずっと、ゲームのシナリオ通りに動いていたの? 殿下ルートって本当、どういうラストだったんだろう。
思えば、断罪イベントにしては中途半端な時期よね。卒業パーティーでも学園祭でもない、ただの平日に断罪されるとは思えないし……。
この世界ってテレビがないからドラマが見られないのよね。小説はたくさんあるから、あとでたくさん読もうっと。
そんな私の様子に気付いたのか、フィリベルトさまが意外そうにこちらを見る。彼に向かいにこりと微笑んだ。
マダムは厳しい視線を殿下たちに向けている。
フローラの『ご友人』たちは、魅了の効果が切れたから頭に『?』マークをたくさんつけているように見えるわ。
ローレンとチェルシーもアレクシス殿下たちを冷めた目で眺めている。
「もちろん愛していますわ! だってアレクシス殿下は私を幸せにしてくれる攻略対象だもの!」
「攻略対象? フローラ、なにを言っているんだ……?」
「どうして? リディアさま、貴女が原作通りに私をいじめてくれたら、こんなことにはならなかったのに!」
思わずむせるところだった。飲み込んでいたからセーフ。
もしかして、フローラも転生者? 私が目を丸くして彼女を見ると、フィリベルトさまが首をかしげた。
「攻略対象とはなんだ?」
「ここはね、『花の乙女 ~永遠を誓う~』っていう乙女ゲームの世界なの! 私はちゃんと主人公としてゲーム通りに動いたもん! こんなこと、ゲームのシナリオになかったもん!」
……精神年齢いくつかしら。
じゃなくて。……彼女はずっと、ゲームのシナリオ通りに動いていたの? 殿下ルートって本当、どういうラストだったんだろう。
思えば、断罪イベントにしては中途半端な時期よね。卒業パーティーでも学園祭でもない、ただの平日に断罪されるとは思えないし……。