【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
ともに食事を
そっか、私……誰かに認められたかったのかもしれない。
アレクシス殿下は私の努力について、全然気付いていなかったし、マダムはその努力が普通だと一貫していた。
「ふふっ」
「どうした?」
「いえ、ありがとうございます、フィリベルトさま」
努力を認めてくれたのが他国の方っていうのも、なかなか嬉しいものね。
不思議そうに私を見るフィリベルトさまから、馬車の窓に視線を移して景色を楽しむことにした。
彼と一緒に屋敷に入ると、お父さまが目を丸くした。私も目を大きく見開いた。だって、まさか、こんなことが――?
「久しぶりだな、リディア」
優しく声をかけられて、私はハッとしたように動き出す。カーテシーをして頭を下げた。
「お久しぶりでございます、陛下」
「そちらの方は?」
「お初にお目にかかります。私は竜の国ユミルトゥスのフィリベルトと申します」
すっと胸元に右手を当てて頭を下げるフィリベルトさま。
陛下は「ああ、なるほど」とつぶやいて、「楽にしなさい」と柔らかく言葉をかける。私たちが顔を上げると、慈愛に満ちた微笑みが視界に入った。
「夕食はまだかな、ふたりとも」
「はい」
「では、一緒に食べようか」
アレクシス殿下は私の努力について、全然気付いていなかったし、マダムはその努力が普通だと一貫していた。
「ふふっ」
「どうした?」
「いえ、ありがとうございます、フィリベルトさま」
努力を認めてくれたのが他国の方っていうのも、なかなか嬉しいものね。
不思議そうに私を見るフィリベルトさまから、馬車の窓に視線を移して景色を楽しむことにした。
彼と一緒に屋敷に入ると、お父さまが目を丸くした。私も目を大きく見開いた。だって、まさか、こんなことが――?
「久しぶりだな、リディア」
優しく声をかけられて、私はハッとしたように動き出す。カーテシーをして頭を下げた。
「お久しぶりでございます、陛下」
「そちらの方は?」
「お初にお目にかかります。私は竜の国ユミルトゥスのフィリベルトと申します」
すっと胸元に右手を当てて頭を下げるフィリベルトさま。
陛下は「ああ、なるほど」とつぶやいて、「楽にしなさい」と柔らかく言葉をかける。私たちが顔を上げると、慈愛に満ちた微笑みが視界に入った。
「夕食はまだかな、ふたりとも」
「はい」
「では、一緒に食べようか」