【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「私もご一緒してよろしいのですか?」
「もちろん。ユミルトゥスの話を聞いてみたかったしね」

 相変わらずフレンドリーな陛下だ。

 私と陛下は親戚関係にあるけれど、フィリベルトさまと陛下にはなんの繋がりもない。私が夕食に誘っちゃったから! ごめんなさい、フィリベルトさま! 心の中で何度も謝罪した。

 夕食まで時間があるから、私たちは一度制服から私服に着替えることにした。

 フィリベルトさまには、背格好が似ているお兄さまの服を着てもらうことになった。お兄さまのほうがフィリベルトさまより、ちょっとだけ背が低いんだけどね。

 そのお兄さまは留学中だから、帰ってきたら私の婚約解消ニュースが一番に聞こえてくるだろう。……倒れないといいけれど。

「お嬢さま、こちらのドレスでよろしいですか?」
「もっとシンプルなものにしてちょうだい、お願いだから」

 チェルシーを先に帰していて、正解だったわ。

 とにかくシンプルなドレスにしてもらわないと困る。陛下の前でド派手なドレスはいやだ。

 リディアはよく、ああいうゴテゴテなドレスを着ていたなぁ……。
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