【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「陛下の奥さまは普段、どんなことをなさっているのでしょうか?」
「うん? 妻の話かね?」
フィリベルトさまはこくりとうなずいた。
「はい。ユミルトゥスでは、どんなときでも配偶者とともにいるものですから、陛下がおひとりで来られているのが不思議で……つい、気になってしまいました」
「情に深い国というのは本当のようだな。一応、余も誘ってはみたぞ? だが、妻は『リディアに会わせる顔がありません』と肩を落としていてな。ああ、リディア、気にしなくていいからな。コトを招いたのは、あのバカだ」
し、辛辣ぅ。まぁね、義理とはいえ娘になるのだから、と陛下たちには良くしていただいていたのよね。娘ができたみたいで嬉しいって、言ってくれたのよね。
ふたりの理想の娘になりたかったというのも、私が王妃教育を耐えていた理由のひとつ。
……結果はこれだけどね!
「魔耐性があっても魅了にかかるとはな……」
うん? フローラの魅了のことを知っていたの?
「魅了の魔法について、ご存知で?」
フィリベルトさまが目を大きく見開いた。ぱちぱちと瞬かせてから問うと、陛下はちらりとお父さまを見た。お父さまはさっきから、一言も発していない。どうしたんだろう……?
「うん? 妻の話かね?」
フィリベルトさまはこくりとうなずいた。
「はい。ユミルトゥスでは、どんなときでも配偶者とともにいるものですから、陛下がおひとりで来られているのが不思議で……つい、気になってしまいました」
「情に深い国というのは本当のようだな。一応、余も誘ってはみたぞ? だが、妻は『リディアに会わせる顔がありません』と肩を落としていてな。ああ、リディア、気にしなくていいからな。コトを招いたのは、あのバカだ」
し、辛辣ぅ。まぁね、義理とはいえ娘になるのだから、と陛下たちには良くしていただいていたのよね。娘ができたみたいで嬉しいって、言ってくれたのよね。
ふたりの理想の娘になりたかったというのも、私が王妃教育を耐えていた理由のひとつ。
……結果はこれだけどね!
「魔耐性があっても魅了にかかるとはな……」
うん? フローラの魅了のことを知っていたの?
「魅了の魔法について、ご存知で?」
フィリベルトさまが目を大きく見開いた。ぱちぱちと瞬かせてから問うと、陛下はちらりとお父さまを見た。お父さまはさっきから、一言も発していない。どうしたんだろう……?