【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
竜の国へ! 2話
「じゃあ、俺はこれから王城にいかないといけないから、これで。見送りできなくてすまない。今度、遊びにいくから待っていてくれ」
「はい、お待ちしております」
もう一度私を抱きしめてから、キースお兄さまは部屋から去っていく。
私は手を振りながらお兄さまを見送り、扉を閉めて背をつける。ローレンとチェルシーに眉を下げて微笑むと、彼女たちも「キースさまは相変わらずでしたね」と微笑んだ。
「キースお兄さまが帰ってきたのなら、お父さまは大丈夫そうね」
「はい。キースさまはきっと、そのために大学を卒業したのでしょう」
スキップで大学を卒業するなんて、キースお兄さまって頭がいいのね。
小さく息を吐くと、ぎゅっと胸元で手を握る。
迎えがくるまでもう少し。少しの不安と大きな期待。
だって、ユミルトゥスは私にとって未知の世界。竜の国ってどういうことなのか、そして私はちゃんとそこで過ごせるのか、そんなことを考えていたら、どんどんと気持ちが沈んでしまう。留学するの、初めてだからかな?
それにしても、王城は今、大変なことになっているみたいだけど、お兄さまは大丈夫かしら。
「考えても埒が明かないわね。玄関に行くわ」
「はい、リディアお嬢さま」
扉を開けて玄関まで足を進める。荷物はローレンとチェルシーが持ってくれた。
玄関までいくとお父さまがいて、私に気付くと柔らかく微笑む。
「お父さま、いつからここに?」
「……そろそろ時間だろう? ここで待っていたなら、必ずリディアに会えると思ったんだ」
どうやら見送りにきてくれたみたい。
私は嬉しくなってお父さまに駆け寄る。少し驚いたように目を大きく見開いたけれど、叱りはしなかった。
アレクシス殿下の婚約者だったときは結構厳しくて、『次期王妃になるものが』なんて言われていたけれど、それももう、昔の話。
「はい、お待ちしております」
もう一度私を抱きしめてから、キースお兄さまは部屋から去っていく。
私は手を振りながらお兄さまを見送り、扉を閉めて背をつける。ローレンとチェルシーに眉を下げて微笑むと、彼女たちも「キースさまは相変わらずでしたね」と微笑んだ。
「キースお兄さまが帰ってきたのなら、お父さまは大丈夫そうね」
「はい。キースさまはきっと、そのために大学を卒業したのでしょう」
スキップで大学を卒業するなんて、キースお兄さまって頭がいいのね。
小さく息を吐くと、ぎゅっと胸元で手を握る。
迎えがくるまでもう少し。少しの不安と大きな期待。
だって、ユミルトゥスは私にとって未知の世界。竜の国ってどういうことなのか、そして私はちゃんとそこで過ごせるのか、そんなことを考えていたら、どんどんと気持ちが沈んでしまう。留学するの、初めてだからかな?
それにしても、王城は今、大変なことになっているみたいだけど、お兄さまは大丈夫かしら。
「考えても埒が明かないわね。玄関に行くわ」
「はい、リディアお嬢さま」
扉を開けて玄関まで足を進める。荷物はローレンとチェルシーが持ってくれた。
玄関までいくとお父さまがいて、私に気付くと柔らかく微笑む。
「お父さま、いつからここに?」
「……そろそろ時間だろう? ここで待っていたなら、必ずリディアに会えると思ったんだ」
どうやら見送りにきてくれたみたい。
私は嬉しくなってお父さまに駆け寄る。少し驚いたように目を大きく見開いたけれど、叱りはしなかった。
アレクシス殿下の婚約者だったときは結構厳しくて、『次期王妃になるものが』なんて言われていたけれど、それももう、昔の話。