【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「――これを」
「これは?」
とてもきれいな青い宝石をはめ込んだネックレスを見せられて、首をかしげる。
あれ? このネックレス、どこかで見たことがあるような……ああ、そうだ、これは……肖像画で見たことがある――……ばっとお父さまを見上げた。
「リディアの母……私の妻であるアリアが大切にしていたネックレスだ。持っていきなさい」
「ですが……! これはお母さまの形見ではありませんか……!」
「だからだ。アリアに、ユミルトゥスを見せてやってくれ」
「お父さま……」
お父さまは、私の首にネックレスをつけてくれた。
アリア――私のお母さま。
私が小さい頃に、病気で亡くなってしまった。そっとネックレスに触れる。冷たい宝石の感触に、そっと息を吐いた。
「良く似合っている」
「……ありがとうございます、お父さま。とても、とても大切にします……!」
思わず涙ぐんでしまった。お母さまが亡くなったあと、お母さまの部屋はそのまま残された。
お父さま以外入ることは許されず、ずっと開かずの間になっていた部屋。
きっと、私のためにこのネックレスを探してきてくれたのだろう。
「――そのネックレスは、アリアが産まれたときに、両親から贈られたものらしい。彼女もきっと、リディアを見守りたいだろうと思ってな」
「私、たくさん……たくさん、ユミルトゥスを見て回りますわ。お母さまと一緒に」
お父さまにそう伝えると、「ああ」と一言だけつぶやいた。
「これは?」
とてもきれいな青い宝石をはめ込んだネックレスを見せられて、首をかしげる。
あれ? このネックレス、どこかで見たことがあるような……ああ、そうだ、これは……肖像画で見たことがある――……ばっとお父さまを見上げた。
「リディアの母……私の妻であるアリアが大切にしていたネックレスだ。持っていきなさい」
「ですが……! これはお母さまの形見ではありませんか……!」
「だからだ。アリアに、ユミルトゥスを見せてやってくれ」
「お父さま……」
お父さまは、私の首にネックレスをつけてくれた。
アリア――私のお母さま。
私が小さい頃に、病気で亡くなってしまった。そっとネックレスに触れる。冷たい宝石の感触に、そっと息を吐いた。
「良く似合っている」
「……ありがとうございます、お父さま。とても、とても大切にします……!」
思わず涙ぐんでしまった。お母さまが亡くなったあと、お母さまの部屋はそのまま残された。
お父さま以外入ることは許されず、ずっと開かずの間になっていた部屋。
きっと、私のためにこのネックレスを探してきてくれたのだろう。
「――そのネックレスは、アリアが産まれたときに、両親から贈られたものらしい。彼女もきっと、リディアを見守りたいだろうと思ってな」
「私、たくさん……たくさん、ユミルトゥスを見て回りますわ。お母さまと一緒に」
お父さまにそう伝えると、「ああ」と一言だけつぶやいた。