【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
ご挨拶 1話
休憩が終わり、またムーンに乗り込む。
ぎゅっと後ろから抱きしめられた。慣れないけれど……たぶん、安全のため、よね?
再びムーンが空へと舞い飛ぶ。
今度はもっとしっかり、空の旅を楽しんだ。
フィリベルトさまも辺りを見渡しているようで、懐かしんでいるのかな? と思った。
しばらく飛行していると、フィリベルトさまがすっと前を指した。指先を追うように視線を動かすと、そこには――大きな都市が視界に入った。
もしかして、ここがユミルトゥスの首都なのかしら? では――向かっているのは、公爵家?
急にドキドキとしてきた。フィリベルトさまのご両親にきちんと挨拶しないとって。
ムーンがゆっくりと降り始めた。
先程と同じように降ろしてもらい、辺りを見渡した。竜がたくさん降りても大丈夫なくらい、広い場所。ローレンとチェルシーはやっぱりちょっと具合が悪そうにふらふらしていた。
「お帰りなさいませ、フィリベルトさま」
「ああ、今戻った。父上と母上は?」
「応接室でお待ちしております」
やっぱりここがフィリベルトさまの生家だったのね!
「そうか。リディア嬢、ついたばかりで申し訳ないが……」
「い、いえ! いきます。ご挨拶させてください」
ぐっと拳を握って意気込むと、彼は小さく微笑みを浮かべて私に手を伸ばし、さっさっと髪を整えてくれた。それから私の手を握り、「こちらへ」と歩き出す。
かなり緊張していたけれど、フィリベルトさまにエスコートされながら足を動かした。
ぎゅっと後ろから抱きしめられた。慣れないけれど……たぶん、安全のため、よね?
再びムーンが空へと舞い飛ぶ。
今度はもっとしっかり、空の旅を楽しんだ。
フィリベルトさまも辺りを見渡しているようで、懐かしんでいるのかな? と思った。
しばらく飛行していると、フィリベルトさまがすっと前を指した。指先を追うように視線を動かすと、そこには――大きな都市が視界に入った。
もしかして、ここがユミルトゥスの首都なのかしら? では――向かっているのは、公爵家?
急にドキドキとしてきた。フィリベルトさまのご両親にきちんと挨拶しないとって。
ムーンがゆっくりと降り始めた。
先程と同じように降ろしてもらい、辺りを見渡した。竜がたくさん降りても大丈夫なくらい、広い場所。ローレンとチェルシーはやっぱりちょっと具合が悪そうにふらふらしていた。
「お帰りなさいませ、フィリベルトさま」
「ああ、今戻った。父上と母上は?」
「応接室でお待ちしております」
やっぱりここがフィリベルトさまの生家だったのね!
「そうか。リディア嬢、ついたばかりで申し訳ないが……」
「い、いえ! いきます。ご挨拶させてください」
ぐっと拳を握って意気込むと、彼は小さく微笑みを浮かべて私に手を伸ばし、さっさっと髪を整えてくれた。それから私の手を握り、「こちらへ」と歩き出す。
かなり緊張していたけれど、フィリベルトさまにエスコートされながら足を動かした。