【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「美味しいです」
「口に合ってよかったわぁ。ジンジャーティーなの。身体の芯からぽかぽかするわよ」
私の隣にはフィリベルトさま、正面には彼のお母さま、その隣に公爵が座っていた。
「あのね、こんなことを聞くのはいけないのかもしれないけれど、どうしてフィリベルトの求婚を受け入れてくれたのか、教えてくださる?」
目をキラキラと輝かせるフィリベルトさまのお母さま。彼がどんなふうに伝えたのかはわからないけれど……ちらりと彼を見てから、視線を戻す。そして、口を開いた。
「話せば長くなるのですが……」
私は、幼い頃からアレクシス殿下の婚約者として王妃教育を受けていたことや、学園のことを話した。フローラの魅了魔法のことも。淡々と話していたけれど、公爵夫人の目に涙が浮かび上がってきた。そっとハンカチで目尻を拭うのを見て、口を閉じる。
「大変だったのね……」
「それは……否定しません。ですが、そのおかげでフィリベルトさまに出会えましたから」
公爵夫妻は真剣に私の話を聞いてくれた。アレクシス殿下に公衆の面前の婚約破棄を宣言されてからのことも伝えると、公爵夫人は頬に手を添えて眉を下げた。
「聞いてはいたけれど、魅了の魔法に引っかかるなんて……大丈夫なのかしら、あの国。あ、ごめんなさいね、故郷のことをそんなふうに言っちゃって」
「いえ、私も少し……そう思いましたから」
あのままアレクシス殿下とフローラが結婚して、政治を執り行うとなると……ねぇ?
まぁ、そこはフローラがどのくらいフォローできるかでも違ってくるだろうけど、さ。
もちろん私は手を貸す気は一切ない! 彼らのプライドがそれを許さないでしょうし、私が考えなくてもいいこと、よね。
「口に合ってよかったわぁ。ジンジャーティーなの。身体の芯からぽかぽかするわよ」
私の隣にはフィリベルトさま、正面には彼のお母さま、その隣に公爵が座っていた。
「あのね、こんなことを聞くのはいけないのかもしれないけれど、どうしてフィリベルトの求婚を受け入れてくれたのか、教えてくださる?」
目をキラキラと輝かせるフィリベルトさまのお母さま。彼がどんなふうに伝えたのかはわからないけれど……ちらりと彼を見てから、視線を戻す。そして、口を開いた。
「話せば長くなるのですが……」
私は、幼い頃からアレクシス殿下の婚約者として王妃教育を受けていたことや、学園のことを話した。フローラの魅了魔法のことも。淡々と話していたけれど、公爵夫人の目に涙が浮かび上がってきた。そっとハンカチで目尻を拭うのを見て、口を閉じる。
「大変だったのね……」
「それは……否定しません。ですが、そのおかげでフィリベルトさまに出会えましたから」
公爵夫妻は真剣に私の話を聞いてくれた。アレクシス殿下に公衆の面前の婚約破棄を宣言されてからのことも伝えると、公爵夫人は頬に手を添えて眉を下げた。
「聞いてはいたけれど、魅了の魔法に引っかかるなんて……大丈夫なのかしら、あの国。あ、ごめんなさいね、故郷のことをそんなふうに言っちゃって」
「いえ、私も少し……そう思いましたから」
あのままアレクシス殿下とフローラが結婚して、政治を執り行うとなると……ねぇ?
まぁ、そこはフローラがどのくらいフォローできるかでも違ってくるだろうけど、さ。
もちろん私は手を貸す気は一切ない! 彼らのプライドがそれを許さないでしょうし、私が考えなくてもいいこと、よね。