【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「それで、うちのフィリベルトを選んだ理由を、聞いてもいいかい?」
公爵に尋ねられ、私は隣にいるフィリベルトさまを見上げた。
「あの、私がこんなことを口にするのはおかしいかもしれませんが、どうか最後まで聞いてください。フィリベルトさまは、私と『期間限定の恋人』になってくださいました。私が殿下から婚約を破棄すると言い渡された翌日に、です」
「期間限定?」
「はい。私は今まで……自分を抑えて生きていました。次期王妃として、恥じないように、と。ですが、それも婚約を破棄されて抑える必要がなくなりました。フィリベルトさまは、『自分を抑えない』私を見ようとしてくださったのです。……それで、ですね。私としては貴族……それも公爵家でありながらも『恋愛』をしたいと思っていまして……あ、もちろんフィリベルトさまもご存知です。それでも良いと、おっしゃってくださったのです」
説明するのにマシンガントークになってしまったのは仕方ない。だって、恥ずかしいのだもの。
あの日のことを思い出して、顔を赤らめる私に、フィリベルトさまのご両親は「そうだったのか」とどこか納得したようにうなずく。
どうしてそんなに優しい表情を浮かべるのかしら? と彼らを見ると、公爵夫人はくすくすと笑いだしてしまった。どうして笑っているのかわからなくて、フィリベルトさまを見上げると、彼はバツが悪そうに私から視線をそらした。
公爵に尋ねられ、私は隣にいるフィリベルトさまを見上げた。
「あの、私がこんなことを口にするのはおかしいかもしれませんが、どうか最後まで聞いてください。フィリベルトさまは、私と『期間限定の恋人』になってくださいました。私が殿下から婚約を破棄すると言い渡された翌日に、です」
「期間限定?」
「はい。私は今まで……自分を抑えて生きていました。次期王妃として、恥じないように、と。ですが、それも婚約を破棄されて抑える必要がなくなりました。フィリベルトさまは、『自分を抑えない』私を見ようとしてくださったのです。……それで、ですね。私としては貴族……それも公爵家でありながらも『恋愛』をしたいと思っていまして……あ、もちろんフィリベルトさまもご存知です。それでも良いと、おっしゃってくださったのです」
説明するのにマシンガントークになってしまったのは仕方ない。だって、恥ずかしいのだもの。
あの日のことを思い出して、顔を赤らめる私に、フィリベルトさまのご両親は「そうだったのか」とどこか納得したようにうなずく。
どうしてそんなに優しい表情を浮かべるのかしら? と彼らを見ると、公爵夫人はくすくすと笑いだしてしまった。どうして笑っているのかわからなくて、フィリベルトさまを見上げると、彼はバツが悪そうに私から視線をそらした。