【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
公爵はちらりとフィリベルトさまを見てから、私に視線を移してにこやかに微笑む。
「魅了の魔法を受けても、妻に会えば妻に気持ちが戻ると思うよ」
その瞳は慈愛に満ちていた。公爵夫妻がどんなふうに愛を重ねていたのか……私には想像ができないけれど、きっとたくさんのことを乗り越えてきたのだろう。
「まぁ、だからこそ……運命なの、思うんだ」
照れくさそうにはにかむ姿は、公爵夫人に恋をしている男性の顔をしていた。
そのことに公爵夫人も気付いたのだろう。ぽっと頬を赤らめて、「あなたったら」とまんざらでもないように甘えた声を出している。
フィリベルトさまはこほんっ、と咳払いをしてじとりと両親を睨みつけた。
息子の前でこんなにラブラブなところを見せても、気にしていないのでしょうね、公爵夫妻は。
「とにかく、父上、母上。リディア嬢をオレの婚約者として、認めてくれますよね?」
「ああ、それはもちろん」
「リディアちゃん、これからよろしくね」
「は、はい。よろしくお願いいたします」
こうして私は、フィリベルトさまの婚約者として認められた。
「今日はうちに泊まってちょうだいね。娘ができると思って、張り切って部屋を用意したのよ」
にこやかな公爵夫人に、「部屋、ですか?」と目を丸くしてしまった。まさか私のために部屋を用意してくれているは想像していなかったので、びっくりしたの。
「オレの部屋でも良かったのに」
「なにを言っているんだ、お前は。部屋を一緒にするのは結婚してからだろう」
フィリベルトさまがぽつりとつぶやき、公爵が呆れたように彼を見た。
「魅了の魔法を受けても、妻に会えば妻に気持ちが戻ると思うよ」
その瞳は慈愛に満ちていた。公爵夫妻がどんなふうに愛を重ねていたのか……私には想像ができないけれど、きっとたくさんのことを乗り越えてきたのだろう。
「まぁ、だからこそ……運命なの、思うんだ」
照れくさそうにはにかむ姿は、公爵夫人に恋をしている男性の顔をしていた。
そのことに公爵夫人も気付いたのだろう。ぽっと頬を赤らめて、「あなたったら」とまんざらでもないように甘えた声を出している。
フィリベルトさまはこほんっ、と咳払いをしてじとりと両親を睨みつけた。
息子の前でこんなにラブラブなところを見せても、気にしていないのでしょうね、公爵夫妻は。
「とにかく、父上、母上。リディア嬢をオレの婚約者として、認めてくれますよね?」
「ああ、それはもちろん」
「リディアちゃん、これからよろしくね」
「は、はい。よろしくお願いいたします」
こうして私は、フィリベルトさまの婚約者として認められた。
「今日はうちに泊まってちょうだいね。娘ができると思って、張り切って部屋を用意したのよ」
にこやかな公爵夫人に、「部屋、ですか?」と目を丸くしてしまった。まさか私のために部屋を用意してくれているは想像していなかったので、びっくりしたの。
「オレの部屋でも良かったのに」
「なにを言っているんだ、お前は。部屋を一緒にするのは結婚してからだろう」
フィリベルトさまがぽつりとつぶやき、公爵が呆れたように彼を見た。