【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「うふふ、そうねぇ。そういうのは結婚してからね。さぁ、リディアちゃん、ついてきて。案内するわ」
「お、お願いします」
すくっと立ち上がり、公爵夫人と一緒に応接室を出る。
公爵とフィリベルトさまに頭を下げてから、ね。フィリベルトさまは立ち上がりかけたけれど、公爵夫人が後ろを振り返り、彼をじっと見つめて緩やかに首を左右に振った。
廊下に出て、パタン、と小さな音を立てて扉が閉まる。
「リディアちゃんの趣味がどんなものなのかわからないから、私の趣味にしちゃったけれど……よかったら使ってね」
うふふ、と楽しそうに笑う公爵夫人は、公爵から愛されている自信があるからかとても美しく見えた。ゆっくりと息を吐き、羨望のまなざしで彼女を見つめてしまう。
「どうしたの?」
「あ、いえ。公爵夫人があまりにも美しくて……」
するりと言葉がこぼれ落ちた。
公爵夫人はキョトンとした表情を浮かべて、それから「まぁっ」と弾んだ声で私の肩を軽く叩く。
そっと肩から腕、腕から手に移動して、きゅっと手を握られた。
「大丈夫よ、リディアちゃん。あなたもすぐにもっと美しくなれるわ」
にこりと微笑む姿は、確信を得ている強い瞳が印象的だった。どうしてそう思うのかしら? と首をかしげると、彼女は私の手を引いて歩き出す。
「だってリディアちゃんは、フィリベルトに愛されるんだもの」
あまりにも明るく言われて、「え?」と目を瞬かせた。
「お、お願いします」
すくっと立ち上がり、公爵夫人と一緒に応接室を出る。
公爵とフィリベルトさまに頭を下げてから、ね。フィリベルトさまは立ち上がりかけたけれど、公爵夫人が後ろを振り返り、彼をじっと見つめて緩やかに首を左右に振った。
廊下に出て、パタン、と小さな音を立てて扉が閉まる。
「リディアちゃんの趣味がどんなものなのかわからないから、私の趣味にしちゃったけれど……よかったら使ってね」
うふふ、と楽しそうに笑う公爵夫人は、公爵から愛されている自信があるからかとても美しく見えた。ゆっくりと息を吐き、羨望のまなざしで彼女を見つめてしまう。
「どうしたの?」
「あ、いえ。公爵夫人があまりにも美しくて……」
するりと言葉がこぼれ落ちた。
公爵夫人はキョトンとした表情を浮かべて、それから「まぁっ」と弾んだ声で私の肩を軽く叩く。
そっと肩から腕、腕から手に移動して、きゅっと手を握られた。
「大丈夫よ、リディアちゃん。あなたもすぐにもっと美しくなれるわ」
にこりと微笑む姿は、確信を得ている強い瞳が印象的だった。どうしてそう思うのかしら? と首をかしげると、彼女は私の手を引いて歩き出す。
「だってリディアちゃんは、フィリベルトに愛されるんだもの」
あまりにも明るく言われて、「え?」と目を瞬かせた。