【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
「それでね、『なにがあった?』と聞いてくれて……いろいろ話しているうちに、彼がいきなり怒りだして、その日のうちに婚約が解消されたのよ」
エステルさまは人差し指と中指をハサミのように立てて、ちょきん、と切る動きをした。
ローレンスさま、行動が素早い。
「そこからはあっという間だったわ。ローレンスに告白をされて、婚約者になったの」
「……ローレンスさま、すごいですね……」
いやもう、本当にすごいとしか言えない。エステルさまの顔は真っ赤に染まっていて、なんだかとても『恋』をしている顔だと思った。
「彼は、私にずっと愛を注いでくれたわ。公爵家の人は愛情深いんですって。前の婚約者に浮気ばかりされて自分に自信を持てなかった私を、ずっと支えてくれたの」
そこで一度言葉を切り、エステルさまは慈愛に満ちた微笑みを浮かべて、私を見る。
「彼のおかげで、私は立ち直れた。だからね、リディアちゃん。あなたもきっと、すぐに自信を取り戻せるわ」
彼女はそっと私の頬に手を添えて、パチン、と茶目っ気たっぷりにウインクをした。
「人に愛されている実感があるとね、どんどんときれいになれるのよ」
「……私も、きれいになれるでしょうか?」
「もちろん! 今だってきれいだけれど、もっともっと、美しくなれるわ」
きっぱりと言い切ったエステルさまの瞳は、とても輝いている。
彼女のように、私もきれいになれるのかな……?
エステルさまは人差し指と中指をハサミのように立てて、ちょきん、と切る動きをした。
ローレンスさま、行動が素早い。
「そこからはあっという間だったわ。ローレンスに告白をされて、婚約者になったの」
「……ローレンスさま、すごいですね……」
いやもう、本当にすごいとしか言えない。エステルさまの顔は真っ赤に染まっていて、なんだかとても『恋』をしている顔だと思った。
「彼は、私にずっと愛を注いでくれたわ。公爵家の人は愛情深いんですって。前の婚約者に浮気ばかりされて自分に自信を持てなかった私を、ずっと支えてくれたの」
そこで一度言葉を切り、エステルさまは慈愛に満ちた微笑みを浮かべて、私を見る。
「彼のおかげで、私は立ち直れた。だからね、リディアちゃん。あなたもきっと、すぐに自信を取り戻せるわ」
彼女はそっと私の頬に手を添えて、パチン、と茶目っ気たっぷりにウインクをした。
「人に愛されている実感があるとね、どんどんときれいになれるのよ」
「……私も、きれいになれるでしょうか?」
「もちろん! 今だってきれいだけれど、もっともっと、美しくなれるわ」
きっぱりと言い切ったエステルさまの瞳は、とても輝いている。
彼女のように、私もきれいになれるのかな……?