【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
……でもやっぱり、婚約者に裏切られるのも、ヒロインが魅了の魔法を使っていたことも、リディアにとってはつらいことだったのよね。
そっと自分の胸元に手を置いて、そっと目を伏せる。
――ねぇ、リディア。あなたは、本当にこのままでいいの――……?
心の中で、そう問いかける。返事はない。
前世の記憶を思い出した私の中に、きちんとリディアの記憶もあるから、強くそう思ってしまうのかもしれない。アレクシス殿下の裏切りは、リディアにとってつらいことだった。だから、私になってしまったのかも。
ゲームでは追放されて終わり、だったのだろうけど、彼女のその後の人生はどんなものだったのかしら。
「お嬢さま?」
「……なんだか疲れちゃったみたい。ふたりもゆっくり休んでね」
「……はい。では、私たちはこれで」
「お嬢さま、ゆっくり休んでくださいね」
ローレンとチェルシーがそれぞれ優しい声色で私に声をかけ、部屋から出ていく。その音を聞きながら、深呼吸を繰り返した。
フィリベルトさまの実家についたら、家族に手紙を書こうと思っていたのだけど……今はちょっと休みたい。
ソファから立ち上がり、ベッドに向かう。ぽすっと身体をベッドに預けると、すぐに睡魔が襲ってきた。
そういえば私、前世でも国外旅行したことないわ。
緊張していてピンと張っていた線が、ふにゃりと緩んでしまったのかも。
そんなことを考えていたのだけど――気が付いたら、私は眠ってしまってみたい。
そっと自分の胸元に手を置いて、そっと目を伏せる。
――ねぇ、リディア。あなたは、本当にこのままでいいの――……?
心の中で、そう問いかける。返事はない。
前世の記憶を思い出した私の中に、きちんとリディアの記憶もあるから、強くそう思ってしまうのかもしれない。アレクシス殿下の裏切りは、リディアにとってつらいことだった。だから、私になってしまったのかも。
ゲームでは追放されて終わり、だったのだろうけど、彼女のその後の人生はどんなものだったのかしら。
「お嬢さま?」
「……なんだか疲れちゃったみたい。ふたりもゆっくり休んでね」
「……はい。では、私たちはこれで」
「お嬢さま、ゆっくり休んでくださいね」
ローレンとチェルシーがそれぞれ優しい声色で私に声をかけ、部屋から出ていく。その音を聞きながら、深呼吸を繰り返した。
フィリベルトさまの実家についたら、家族に手紙を書こうと思っていたのだけど……今はちょっと休みたい。
ソファから立ち上がり、ベッドに向かう。ぽすっと身体をベッドに預けると、すぐに睡魔が襲ってきた。
そういえば私、前世でも国外旅行したことないわ。
緊張していてピンと張っていた線が、ふにゃりと緩んでしまったのかも。
そんなことを考えていたのだけど――気が付いたら、私は眠ってしまってみたい。