仮面の下の素顔~君と出会って世界が変わった~
第1話
「あ、おはようございます!」
朝、5時。
私、 林 湊音(はやし みなと)の3コ目の掛け持ちバイトは、カフェの早朝バイト。
「あ、おはよう。湊音ちゃん。」
この人のおかげで、朝4時過ぎに起きて化粧もして出勤することが出来ている。
昨日深夜の居酒屋バイトもして、3時間しか寝てないけど・・・一生懸命コンシーラーでくまだって隠した。
彼がレジに来た。
店内がふわっと甘くてやわらかくて、朝のカフェとは思えない香りに包まれる。
「アメリカン、1つ。今日はショートで」
「ありがとうございます。450円です」
真っ黒な髪の毛に、人形のようなきれいな顔立ち。俯いたときの二重の線がとてつもなくきれい。
片耳にピアス。今日はカジュアルめな服装。
「はい」
そう言って、500円玉を渡してくれる。
私が手を出すまで待ってる姿が少しかわいい。
「ありがとうございます、50円のお返しです」
そう言って50円玉を返す。
彼の手に触れる。彼はその50円玉をレジ横にある募金箱に入れる。
おつりは、絶対に募金箱に入れる。この募金箱に入れるのはほぼほぼ彼だけ。
この人は、絶対いい人だ。ってだれしもが思う。
朝、コーヒーに飲みに来る人が募金箱なんか目もくれない。
ていうか、携帯で支払う人も多い中わざわざ現金で支払うなんて・・・絶対いい人っ。
コーヒーが出来上がるまで、彼がレジで待つ。
この時にいつも軽くお喋りをする。
「今日もお仕事だったんですか?」
「うん。お客は少なかったんだけど、広報とか最近してるから帰れなかったよ」
「広報までしてるんですか!?大変ですね」
「なんかショート動画でキャストたち踊ってるのとか編集してるんだけどさ。こだわっちゃうんだよね~」
「ホストって・・・大変ですね」
そう。彼はホスト。
最近のホストは変なスーツを着ずカジュアルめな格好。
パーカーのくせに、毛玉も一切ない。ハイブランドのロゴが小さく入っているもの。
私が着ている古着屋で300円で買ったパーカーと大違い。
「まあね、でも俺このコーヒーのために頑張れてるよ。いつもありがとう、湊音ちゃん」
はい。ホストの女を落とす言葉です。
これで私も落とされてしまうのではないかと、いつも崖っぷちです。
「もう、私はお店なんて行きませんからね!・・・はいコーヒーです!」
彼の指に触れて、コーヒーを渡す。
こんな早朝なのにドキドキしてしまう。
「ありがとう!じゃ、おやすみ~」
夜勤明けとは思えない100点満点の笑顔。笑った時のくしゃっとなる顔、エクボ、片っぽだけの八重歯が本当にかわいい。
「おやすみなさい、お気をつけて」
そう言ってレジから彼を見送る。
彼が来たあとは、あっさり別の客が来る。全然、彼が来たことの余韻を感じることもなく。甘い香水の香りが、コーヒー、ワックスの香りやさわやかな香りにかわっていく。
ちょっと切ないけど、彼の素敵な笑顔を思い出しながら乗り切った。
朝、5時。
私、 林 湊音(はやし みなと)の3コ目の掛け持ちバイトは、カフェの早朝バイト。
「あ、おはよう。湊音ちゃん。」
この人のおかげで、朝4時過ぎに起きて化粧もして出勤することが出来ている。
昨日深夜の居酒屋バイトもして、3時間しか寝てないけど・・・一生懸命コンシーラーでくまだって隠した。
彼がレジに来た。
店内がふわっと甘くてやわらかくて、朝のカフェとは思えない香りに包まれる。
「アメリカン、1つ。今日はショートで」
「ありがとうございます。450円です」
真っ黒な髪の毛に、人形のようなきれいな顔立ち。俯いたときの二重の線がとてつもなくきれい。
片耳にピアス。今日はカジュアルめな服装。
「はい」
そう言って、500円玉を渡してくれる。
私が手を出すまで待ってる姿が少しかわいい。
「ありがとうございます、50円のお返しです」
そう言って50円玉を返す。
彼の手に触れる。彼はその50円玉をレジ横にある募金箱に入れる。
おつりは、絶対に募金箱に入れる。この募金箱に入れるのはほぼほぼ彼だけ。
この人は、絶対いい人だ。ってだれしもが思う。
朝、コーヒーに飲みに来る人が募金箱なんか目もくれない。
ていうか、携帯で支払う人も多い中わざわざ現金で支払うなんて・・・絶対いい人っ。
コーヒーが出来上がるまで、彼がレジで待つ。
この時にいつも軽くお喋りをする。
「今日もお仕事だったんですか?」
「うん。お客は少なかったんだけど、広報とか最近してるから帰れなかったよ」
「広報までしてるんですか!?大変ですね」
「なんかショート動画でキャストたち踊ってるのとか編集してるんだけどさ。こだわっちゃうんだよね~」
「ホストって・・・大変ですね」
そう。彼はホスト。
最近のホストは変なスーツを着ずカジュアルめな格好。
パーカーのくせに、毛玉も一切ない。ハイブランドのロゴが小さく入っているもの。
私が着ている古着屋で300円で買ったパーカーと大違い。
「まあね、でも俺このコーヒーのために頑張れてるよ。いつもありがとう、湊音ちゃん」
はい。ホストの女を落とす言葉です。
これで私も落とされてしまうのではないかと、いつも崖っぷちです。
「もう、私はお店なんて行きませんからね!・・・はいコーヒーです!」
彼の指に触れて、コーヒーを渡す。
こんな早朝なのにドキドキしてしまう。
「ありがとう!じゃ、おやすみ~」
夜勤明けとは思えない100点満点の笑顔。笑った時のくしゃっとなる顔、エクボ、片っぽだけの八重歯が本当にかわいい。
「おやすみなさい、お気をつけて」
そう言ってレジから彼を見送る。
彼が来たあとは、あっさり別の客が来る。全然、彼が来たことの余韻を感じることもなく。甘い香水の香りが、コーヒー、ワックスの香りやさわやかな香りにかわっていく。
ちょっと切ないけど、彼の素敵な笑顔を思い出しながら乗り切った。