冷徹狼陛下の子を授かりました!
今回の結婚も、突然皇帝が提案したのだ。王国の狼族の血を絶やすわけにはいかないが勢力を強くされては困る。そこで、プライドばかり高く借金まみれで、特殊な能力も持たない落ちぶれたブルネリア伯爵家の娘を嫁がせることにした。
「皇帝陛下にご挨拶申し上げます。本日はどのようなご用件でしょうか……」
皇帝陛下からの突然の呼び出しに、伯爵はビクビクとしている。
「お前のところに娘がいるな」
「はい……」
「ウルフリア王国へ嫁がせてくれ」
「……それは」
「断るのか」
「いえ、滅相もございません! 娘は二人いるのですが……」
「どちらでも構わん」
その答えを聞いた瞬間に、伯爵は肩の力を抜いて安堵した様子で即答した。
「では、長女のマリアを」と……
迷いのない様子に皇帝は多少訝しく感じたが、伯爵が前妻を亡くしてすぐに後妻を迎えていることを思い出した。でも、どちらを嫁がせようが、皇帝からしたらどうでもいい話。
要は、ウルフリア王国の勢力を伸ばさせなければいいのだ。
「皇帝陛下にご挨拶申し上げます。本日はどのようなご用件でしょうか……」
皇帝陛下からの突然の呼び出しに、伯爵はビクビクとしている。
「お前のところに娘がいるな」
「はい……」
「ウルフリア王国へ嫁がせてくれ」
「……それは」
「断るのか」
「いえ、滅相もございません! 娘は二人いるのですが……」
「どちらでも構わん」
その答えを聞いた瞬間に、伯爵は肩の力を抜いて安堵した様子で即答した。
「では、長女のマリアを」と……
迷いのない様子に皇帝は多少訝しく感じたが、伯爵が前妻を亡くしてすぐに後妻を迎えていることを思い出した。でも、どちらを嫁がせようが、皇帝からしたらどうでもいい話。
要は、ウルフリア王国の勢力を伸ばさせなければいいのだ。