冷徹狼陛下の子を授かりました!
――ガシャン
城内から物の壊れる音が響いた。
「何?」
マリアの部屋からは少し離れている。レオンがいない今、一人で部屋を出ると迷ってしまいそうで、気にはなるが踏みとどまった。
満月の光が強くなり、マリアの部屋を明るく照らす。光を浴びながら、ベッドに入り眠りついた。
――カタッ
部屋に物音が響き薄っすらと目を開けると、満月をバックに真っ白な大きな狼が、炎のような不思議なオーラを纏った姿でマリアを見ていた。
「えっ……」
驚きと戸惑いで思わず声が出たが、不思議と恐怖はない。
その狼としばらく見つめ合っていた。
すると、狼がマリアのベッドへ一歩ずつ近づいてくるではないか。
「ゴクッ……」
思わず息を飲む。毛並みがキレイで輝いていて、まるで王様のような威厳を放っていた。
『王様……もしかして、エドワード陛下⁉』
狼がベッドへ軽々と飛び乗り見下ろしている。
次の瞬間、狼からエドワードの姿へと戻った。まだ不思議なオーラは纏っている。
夢なのか、現実なのか――
マリアはエドワード陛下と情熱的な一夜を過ごし、いつの間にか眠ってしまった――
記憶に残っているのは、いつもの冷徹な表情からは考えられない情熱的な眼差しと、窓の外に輝く大きな満月だった。
城内から物の壊れる音が響いた。
「何?」
マリアの部屋からは少し離れている。レオンがいない今、一人で部屋を出ると迷ってしまいそうで、気にはなるが踏みとどまった。
満月の光が強くなり、マリアの部屋を明るく照らす。光を浴びながら、ベッドに入り眠りついた。
――カタッ
部屋に物音が響き薄っすらと目を開けると、満月をバックに真っ白な大きな狼が、炎のような不思議なオーラを纏った姿でマリアを見ていた。
「えっ……」
驚きと戸惑いで思わず声が出たが、不思議と恐怖はない。
その狼としばらく見つめ合っていた。
すると、狼がマリアのベッドへ一歩ずつ近づいてくるではないか。
「ゴクッ……」
思わず息を飲む。毛並みがキレイで輝いていて、まるで王様のような威厳を放っていた。
『王様……もしかして、エドワード陛下⁉』
狼がベッドへ軽々と飛び乗り見下ろしている。
次の瞬間、狼からエドワードの姿へと戻った。まだ不思議なオーラは纏っている。
夢なのか、現実なのか――
マリアはエドワード陛下と情熱的な一夜を過ごし、いつの間にか眠ってしまった――
記憶に残っているのは、いつもの冷徹な表情からは考えられない情熱的な眼差しと、窓の外に輝く大きな満月だった。