冷徹狼陛下の子を授かりました!

-7-

 ――チュンチュン

 窓の外から鳥の鳴き声が聞こえている。

 マリアは、身体の怠さと寝不足で目を開けることができない。

 そこへ、昨日の朝以来のレオンが、いつも通りの様子でやって来た。

「おはよう! ママ?」

 元気な声が聞こえて、身体を揺すられる。

「へ? 夢?」

 寝ぼけ眼ながらも、昨夜のことを思い出してハッとなって飛び起きた。自分の姿を見ると、いつものパジャマを着ている。

「なにが?」
「え? ううん」

 レオンに話せる内容ではないので誤魔化す。夢だったにしては、身体に違和感が残っているのだ。でも部屋を見渡しても、エドワードの痕跡はない。

「ママ、珍しくお寝坊さんだね。僕お腹空いた! 食堂へ行こうよ」

 時計を見ると、いつも起きる時間はとっくに過ぎて、レオンが来る時間になっていた。慌ててベッドから起き上がるも、やはり身体に違和感と言うのか痛みを感じる。マリアは準備をしながらも、昨夜の幻想的な出来事を思い出していた。やはり夢ではなかったと確信する。
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