冷徹狼陛下の子を授かりました!
 今度、エドワードに会った時、どんな顔をすればいいのだろうか……

「そういえば、レオンは昨夜どうしてたの?」
「僕? 記憶にないや」
「そうなの? 怪我とかしてない?」
「うん。大丈夫だよ」

 実はレオン自信に怪我はないのだが、マテオをはじめ城内の男性陣は、毎月満月の翌日は傷だらけになっていた。

 まだ幼いレオンは、満月の夜になると暴れ出し自分では抑えられない。ただ、大事な跡取りであるレオンに危険が及んでは困るので、総動員で見守っている。それは毎月のことで、満月の夜になると女性の使用人達は、早くに部屋へ戻って一歩も出ないのだ。

 また来月の満月の夜までは、平穏な日が続くはずだった――

 ところが、突然マリアの元へたくさんの行商人が代わる代わるやって来る。

 ――コンコン

「はい」
「お客様をお連れいたしました」
「え?」
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